GTV [編集] NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」
飽食の悪夢~水・食料クライシス~
[地球のミライ] YouTube動画
(3本)

YouTube 2021.02.12

NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」をビジュアルな情報満載で伝える動画シリーズ。

ゆがんだ食料システム (5分)

先進国で食料資源の飽くなき浪費が続く中、世界各地で飢餓の“パンデミック”が起きている。世界の穀物生産量は過去最高で、公平に分配すれば世界人口が生存するのに必要なカロリーが足りているのに、今、飢餓人口は8億人に達すると見られている。

食料システムのゆがみの象徴の1つが先進国や新興国で消費拡大が続く肉食。牛肉1キログラムを生産するのに必要な穀物は6~20キログラム。世界の穀物の3分の1は家畜の飼料となっている。穀物を育てるには、膨大な水が必要で、アメリカの穀倉地帯などでは、地下水の枯渇が進んでいる。輸入食材に頼って豊かさを享受する日本も無関係ではない。

牛肉1キログラムを輸入すると、水資源に換算すると風呂約80杯分の水を使う計算になる。 こうした仮想水=バーチャルウォーターを、日本は年間80兆リットルも輸入、実に日本国内の水の年間使用量に匹敵する。バーチャルウォーターの輸入は中国など新興国でも急増。

また、食料生産のための森林伐採も拡大し、温暖化を加速させている。 世界の温室効果ガス排出の約4分の1は、食料の生産や流通、消費など食料システムが関連しているとされている。

専門家は、2030年までに食料システムを持続可能な方向に大転換しなければならないと警告する。未来への分岐点、2030年まであと10年・・・。

https://youtu.be/0kWqxxWDQJw

食料危機で日本でも暴動!? (5分)

インドの大地を襲う砂嵐、食料を食い尽くすバッタの大群、急速に進む温暖化や土地の荒廃が農地にダメージを与えている。そのことによる食料不足は「大規模な飢きんを招くだけでなく、紛争の連鎖を生み、社会が不安定化し大量の難民が生まれる」とノーベル平和賞を受賞した国連世界食糧計画(WFP)の事務局長は警告する。

水危機も深刻だ。農業は、世界で使われている淡水の約7割を利用しているが、水源の1つ、地下水の枯渇が迫り、2050年には世界の7割の地域が直面するという。豊かな人々だけが水を独占する動きも起きている。

温暖化が進み、こうした水や食料の偏りが進めば、暴動が引き起こされる可能性も高まる。ある研究グループは、数か国の穀倉地帯が不作となり、食料の輸出を停止した場合に暴動が起きる確率を試算、すると確率が10パーセント以上と高い地域は世界各地に広がり、食料自給率が38パーセントと低い日本でも数パーセントの確率で暴動が起きると指摘する。

世界的な暴動は食料生産をより不安定化し、最悪の場合、危機は数年に及び、巨大なフードショックが起きるリスクがあるのだ。食料システムの改革を直ちに始め、危機を食い止めることはできるのか。未来への分岐点、2030年まであと10年・・・。

https://youtu.be/TfkQvLnGwPk

食生活を転換できるか (5分)

日本で毎日まだ食べられるのに廃棄されている大量の食品ロスは612万トン。国連などが世界各地で行っている食料支援の約1.5倍にものぼる量だ。今、地球環境に大きな負荷をかけ、持続可能でない食料システムを見直す動きが始まっている。

生産に大量の穀物と水を必要とする「肉」の消費量を減らすために、人工肉の開発が注目されている。スタンフォード大学の医学者らが起こしたベンチャー企業では分子レベルで肉を解析し、大豆やココナツオイルを原料に肉汁まで再現。牛肉と比べ、水の使用量や温室効果ガスの排出量を大幅に減らした。日本でも大手ハンバーガーチェーンが、人工肉バーガーを開発。

世界では、食品ロス問題の解決に挑む若者たちも登場。アメリカの大学生たち700人以上がネットワークを作り、廃棄されそうな食料を回収して、食に困っている人に配る「ファームリンク」を立ち上げた。私たちの食生活の転換も求められている。 EAT財団では、科学者と連携し、「プラネタリーダイエット」を提唱、地球にとっての理想の食事を発表した。食事の半分は野菜で、週に食べる肉の量を7割以上削減、豆やナッツからタンパク質を取ることをすすめている。

こうした様々な対策で、2030年までに飢餓をゼロにし、持続可能な食料生産を達成できるか。未来への分岐点2030年まで、あと10年・・・。

https://youtu.be/verCngx7mrA