GTV [編集] NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」
プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界
[地球のミライ] YouTube動画
(3本)

YouTube 2021.03.14

NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」をビジュアルな情報満載で伝える動画シリーズ。

プラスチック大量消費の果てに (5分)

海鳥の胃袋から大量に見つかるプラスチック片。このまま対策を取らなければ、2050年には魚の量よりも海洋プラスチックの量が上回り、“プラスチックのスープ”のような状態になると懸念されている。私たちの暮らしにも密接な関係がある。

日本など先進国が廃棄プラスチックを輸出しているマレーシア北部では、放火や不法投棄による汚染が深刻化、健康にも影響が出ている。

石油から作られ、20世紀の夢の発明ともてはやされたプラスチックだが、リサイクルされているのは全体のわずか9パーセント。焼却は12パーセントだが、燃やすと大量の二酸化炭素を出し、温暖化につながるので、やみくもに増やせない。

残りのおよそ8割はゴミのまま埋め立てられていて、野ざらしになったプラスチックは海に流れ出してしまう。その数は推定年間3000万トン、海流に乗って地球全体へと拡散していく。

このままでは、10年後には今の3倍の9000万トンに達すると予測される。使い捨てプラスチックの量を大幅に削減できるか。この10年が地球と人類の未来を決める鍵を握っている。

https://youtu.be/PnBbry4D8Aw

小さく砕けたプラスチックの脅威 (5分)

深海から北極まで至る所に広がるプラスチック。中でも波や紫外線の影響で5ミリメートル以下に砕けた小さなマイクロプラスチックは、生態系への影響が懸念されている。

すでに魚介類に悪影響が出る恐れのある濃度に達している可能性のある海域も。海だけではなく、大気中にも拡散、人間も吸い込んでいるとみられる。

プラスチックの中には、「添加剤」と呼ばれる化学物質が含まれているが、マイクロプラスチックが「運び屋」になって食物連鎖に取り込まれると生物を中から攻撃する可能性がある。さらには、プラスチックが排せつされず、人体に吸収されてしまうリスクも浮かび上がっている。

1マイクロメートルを切るようなナノプラスチックは、細菌並のサイズになると、小腸などを通じて血液の中に入ると考えられている。研究者が行った胎盤への影響を調べる実験でも人体への悪影響が出る可能性が心配されている。

自然界で分解されるまで長い歳月がかかり、世代を越えて人と環境に影響を与えるプラスチック。使い捨て大量消費社会からの脱却が求められている。

https://youtu.be/QhQOBWV9is4

“使い捨て”から“循環”へ (5分)

「使い捨て」からの脱却をめざして、世界が動き出している。

プラスチックの用途の36パーセントを占める容器・包装類。花王とライオンというライバル企業同士が詰め替え容器のリサイクルを協働で行うと発表。容器を共同で回収し、それを再利用して新たな容器を開発するという。

プラスチックの14パーセントを占める繊維では、高級ブランドが漁網やじゅうたんなどから再生ナイロンを作り出し、ファッションとして販売する動きが。しかし、リサイクルだけでは、プラスチック量の削減には限界がある。

世界的な起業家が設立したグループでは、ゴミそのものを出さない循環型のサービスを考案。耐久性に優れたステンレス容器に入れた異なるメーカーの製品を専用のバッグにまとめて家庭に届け、使い終わったら回収し、洗浄。希望すれば、中身を充填(じゅうてん)して再び消費者に届けるサービスだ。私たちが意識と行動を変えれば、プラスチック汚染を8割削減できる可能性があるという。

インドネシア・バリ島では、2人の少女が始めたレジ袋禁止運動から、「使い捨てプラスチック禁止」の法律が成立、水筒やマイスプーンを持ち歩く人が増えるなど大きな変化が起きた。

行動によって未来を変え、循環型の社会システムを作ろうという動きが世界中で始まっている。

https://youtu.be/QiF2NBuHSvQ